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カーマスートラ 〜 金儲けの法。恋人の心変わりのしるし。恋人を袖にする法について
- 2008/04/19(Sat) -

カーマスートラ



恋人から金をだましとる手管にはつぎのようなものがある。

1 装身具、食物、飲み物、花、香料、衣服などの品物を買うと称して、実は何も買わないか、あるいは水増しした金を要求する。
2 面と向かって男の聡明さをほめたたえる。
3 恋人の家に行く途中で強盗に宝石を盗まれたと偽る。
4 火事で無一物になったとか、家の倒壊や召使いの不注意で家財をなくしてしまったとか訴える。
5 恋人の宝石を自分の宝石と一緒に紛失してしまったふりをする。
6 恋人を訪問するために出費がかさむことを、友人の口から彼の耳に入れる。
7 恋人のために借金をつくったと言いふらす。
8 恋人ができたために出費がかさみ、母親がそれを認めないので、言い争ったと偽る。
9 まえもって恋人に友人らから高価な贈り物をもらったと伝えておき、そのお返しをする金がないので、友人たちの家で開かれる宴会や催しに出席できないとこぼす。
10 金がないという理由で祝い事をとりやめる。
11 恋人につくしたいために芸人をやとう。
12 ある目的をとげるために医者や大臣をもてなす。
13 友人や恩人にめでたいことがあったり、不幸に見舞われたりしたとき、祝儀や見舞金をあげる。
14 家庭内の祭式を行なう。
15 女友達の息子の婚礼の費用をはらってやらねばならないという。
16 妊娠中妙な欲望をみたさねばならないという。
17 病気になったふりをして、治療代を請求する。
18 友人の不幸をとりのぞいてやらねばならないという。
19 恋人に贈り物をするために自分の装身具を売ったという。
20 まえもってしめしあわせておいた道具屋に、装身具や家具や台所用具を売ったふりをする。
21 他家の台所用品よりはるかに高価なものを買わなければならないという。そうすれば、すぐに見分けがつくし、粗悪な品物とまちがってとりかえられる心配もない。
22 恋人になれそめのころの気前のよさを思い出させたり、友人や追従者にたえずそのことをしゃべらせる。
23 ほかの娼婦がいかに多額の金を受け取っているかを恋人に話す。
24 仲間の娼婦や恋人のいる前で自分の収入がみなのそれよりもずっと多いことを自慢する。実際はそうでなくても。
25 昔の恋人たちとよりを戻せば収入もふえると母親に言わせておいて、恋人の前でそれに反対する。
26 恋人に彼の競争相手の気前のよさを指摘してやる。

以上が娼婦の金儲けの秘訣である。


女は常に恋人の気質や態度や顔色の変化から、自分に対する彼の心理状態を判断しなければならない。

恋人の熱がさめつつあるときの行為はつぎのとおりである。

1 女に求められた金銭よりも少なく与え、ねだられたのとちがう品物を与える。
2 いろいろ約束をして女にいつまでも期待させる。
3 ひとつのことをするようなふりをして、実は別のことをする。
4 彼女の願い事を満たしてやらない。
5 約束を忘れたり、約束した以外のことをしたりする。
6 召使いと妙なふうに話し合う。
7 友人になにかしてやらなければならないという口実をもうけて、よその家で寝る。
8 最後に、まえから知っている女の召使いと内緒話をする。

ところで、娼婦は恋人の心変わりに気づいたら、相手に本心をみすかされないうちに、彼の最上等の持ち物をみんな手に入れ、まえもってしめしあわせておいた債鬼に、偽りの借金の返済にあてるため、その品々を持ってゆかせる。もし恋人が金持ちで、その後も彼女に対する態度が変わらなければ、いつまでも従来どおり尊敬をこめて接すべきだが、相手が貧乏だったら、早いところ見切りをつけて、全然関係がなかったような顔をするのがよい。


恋人を袖にする方法にはつぎのようなものがある。

1 冷笑をうかべ、足を踏み鳴らしながら、恋人の不愉快な悪臭と欠点をあげつらう。
2 恋人の知らないことを話題にする。
3 彼の学識を笑いものにし、けちをつける。
4 彼の自尊心を傷つける。
5 学識や知恵の点で彼よりすぐれている人に交際を求める。
6 ことごとに彼を無視する。
7 恋人と同じ欠点を持つ男たちをけなす。
8 彼の享楽法に不満をぶちまける。
9 接吻を許さない。
10 へそと腿の部分への接触を拒む。
11 彼がつけた爪痕や歯形を嫌悪する。
12 抱擁のときに、体を密着させない。
13 交会中に手足を動かさない。
14 相手が疲れているときに交悦を迫る。
15 彼の愛情を笑いものにする。
16 抱擁にこたえない。
17 抱き始めたら顔を背ける。
18 眠そうなふりをする。
19 昼間相手が女体を楽しみたがっていることがわかったら、人をたずねて外出するか、ほかの人とつきあう。
20 故意に相手の言葉を誤解する。
21 おかしくもないのに笑い、相手がなにか冗談を言って笑っても、ほかのことで笑ったといってごまかす。
22 自分の召使いに横目で合図を送り、男がなにか言いかけたら、ぱんと手をたたく。
23 話の途中で相手をさえぎり、ほかの話をはじめる。
24 相手の失敗や欠点をあげつらって、とてもなおる見込みはないときめつける。
25 相手の心をひどく傷つけることを計算して、自分の召使い女に話しかける。
26 相手が近づいてきても、そしらぬふりをする。
27 とうてい聞き届けてもらえないことを、承知のうえで、頼み込む。
28 そして、けっきょくは最後に彼を袖にする。


ここで、ことわざがふたつある。

「娼婦の本分は、しかるべく、十分に考慮を加えたのち、適当な男と関係を結び、その男の心をしっかりととらえ、財産をしぼりとり、無一物になったところで、見捨てることである」

「このようにして人妻として生活を送っている娼婦は、多すぎる恋人たちに悩まされることなく、ふんだんに富をたくわえる」


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